新卒の就職を重点的に支援しようとする政策の一環として
3年以内既卒者を採用する際に2つの新しい助成金が新設されました。
○3年以内既卒者(新卒扱い)採用拡大奨励金
正規雇用での雇い入れから6ヵ月経過後に100万円支給
(同一事業所に1回限り)
○3年以内既卒者トライアル雇用奨励金
トライアル期間 対象者1人につき月額10万円支給
有期雇用後の正規雇用の雇い入れで 対象者1人につき50万円支給
また、「新卒応援ハローワーク」が全国の都道府県の労働局に
設置されたということです。
小規模な中小企業では、新卒を採用することはなかなかハードルが
高いことではないかと思います。
ついつい即戦力の中途採用に頼ってしまう傾向があります。
先日、東京で受講したセミナーで、若手起業家である講師の方が
このようなことをおっしゃっておられました。
「中小企業経営者は人件費をコストと考えてしまう。しかし、
新入社員を採用して人材育成することは未来投資である。
一番リターンが大きいのは、社員への投資である。」
この社長は20歳台で起業し、わずか年商3千万から、
約10年後には、年商30億円の企業へと成長させた敏腕経営者です。
社員のほとんどが中途採用だった起業当初は、社員とのトラブルも多く、
離職率80%の時もあったそうです。
中途社員は、即戦力になりますが、
これまでの経験や固定観念が邪魔してしまい、
なかなか会社の価値観を共有できないという側面もあるようです。
しかし、ある時から採用方針を大幅に変更し、毎年、新卒の社員を
採用することにし、社内に新人をしっかりと育てあげる文化が
確立された時、会社が大きく変わったそうです。
今では、数年前に入社した新入社員が一人で数億もの売上を
稼ぎ出すまでに成長したというエピソードには驚きました。
この厳しい時代にあって、一から教育しなければならない新入社員は、
短期的なスパンでみると、決して経営効率がよいとはいえないと
思いますが、会社に必要なのは、マインドが高く、価値観を
共有できる人材です。
新入社員を採用し、会社の理念や価値観を共有し、教育することで
組織力は確実に向上していくのではないでしょうか?
普段は、新入社員の採用の及び腰の中小企業の方は、
この機会に、この助成金を利用し既卒の若手社員を採用するのも
ひとつの方法だと思います。
ドラッカーも
「人材への投資が最も効率的で効果的な投資である」と
述べています。
若手社員を採用する計画がある企業は、
まずハローワークに問い合わせをしてみることをお薦めします。